混乱しててもフツー
ラグビー代表はあっという間に世界を驚かせましたな!
ペンタです。
もちろん、日本における(世界でも)競技人口やプロ組織化は、
サッカーとラグビーでは相当差がついておるので、
いきなりラグビー人気がサッカーを上回るということはないのじゃろうが、
日本テレビのスポンサーはそんなものは全然興味がない。
視聴率がすべてなのである。
金銭的にも、サッカーが持っていた数字を今後しばらくすると、
ラグビーがかっさらってゆく
ということは充分にありうる、とわしは思う。
サッカー協会はちゃんと心配したほうがいい。
未来が示されるなら、ファンは納得するのである。
☆ ☆ ☆
日本代表のシリア戦、イラク戦を見た。
可能性は見えて来たであろうか?
うーん。
それどころではない。
どうも選手と監督の意図がちぐはぐなのが気になる。
あるいは、監督は自らの意図するサッカーに適応できる選手を選んでいるのじゃろうか?
選手たちは、攻撃時のお互いの距離感が近い方がよく、
ショートパスとドリブルを織り交ぜて、崩す形を好んでいる。
というか、現在の常連代表は、それしかできないメンバーがそろっている。
特にスピードのない本田をサイドの位置で起用するなら、必ずそうなる。
(彼は、確かに悪くない選手で、メンタル、フィジカルの強さ、いざというときのプレーの正確性など、素晴らしい部分をたくさん持っているが、あまりも鈍足なため、
現代サッカーの最前線に置くにはかなり使い勝手の悪い置物となる)
他方で、監督は、攻撃に幅を作りたいと考えており、
両サイド、日本代表でいえば、本田と原口(もしくは宇佐美)は、両翼に高く、
ラインぎりぎりに開いてほしいと考えている。
バルセロナの監督時代のクライフは、この位置の選手について
「タッチラインを踏んでプレーしろ」とか、「開いていれば、案山子でもいい」
という名言を残している。
現代では、さすがにウィングが案山子のような鈍足の選手では通用しないが、
いずれの言葉も、いかに攻撃に幅が必要かを説明したものである。
監督が、本田は案山子でいい、とにかく開いて待てと腹をくくっているのか?
それならそれで、やり方もあると思う。
たとえば、先日の女子W杯でのみやまが左サイドかなり開いて位置で
プレーしていた。
俊輔も、セルティック時代、右サイドのFWの位置でプレーをしていた。
だが、本田に明確な指示を出していないらしく、シリア戦、イラク戦と連続で、
中央に入ってのプレーが続いている。
それで結果が出ているような、出ていないような、
そういう状況であると、わしは感じている。
少なくとも、数年後世界を驚かせてくれるようなチームに育ちつつあるか?
と言われれば、なんだか代わり映えしない、と答える他ない。
☆ ☆ ☆
それにしても、この日の両サイドバックは眼を覆うような出来栄えじゃった。
守備が不安定で、攻撃も心もとない。
現代のサッカーは、サイドの攻防が中心になるので、
ここに力のない選手が座ると、俄然雲行きが怪しくなるのである。
それにしても、こんなに人材がいないのか?
☆ ☆ ☆
そうそう。久しぶりの柏木。
この選手はランニングフォームの汚い選手で、
もう二度と代表には呼ばれないだろうと思っていたが、
後半、プレスのなくなった状態で、という条件付きではあるが
なかなか素晴らしいパスを出していた。
パスというのは、「パスコース」などというが、実は5次元のものである。
コースと言うと、2次元であるが、当然高さもあり、3次元。
さらにスピードやタイミングもあるので、4次元である。
残りはボールの回転である。
これで受け手側のコントロールの難易度が変化する。
つまり5次元の適格さというものが必要であり、
名手はこれを操る。
良いパスが通ると、それだけで、うっとりするものじゃ。
代表でパスがうまいと言えば、遠藤や中村ケンゴであったが、
彼らが呼ばれなくなって、ほんとにまともなパサーが代表にはいなかったわけである。
この日の柏木は、普段の代表がいかに「パサー不在」であるか、
を思わせた。
それだけのプレーはしていた、立派だったと言いたいところだが、
それだけ、代表のレベルが落ちているということかもしれない。
☆ ☆ ☆
ということで、スピードのある右ウィング、サイドバック、パサーと、
「足りないもの」ばかりが目立ったシリア、イラン戦であった。
ラグビーでは、「ジャパン・ウェイ」というものが示されたらしいが、
サッカーの「ジャパン・ウェイ」が見られるようになるのは、何時の事なのじゃろう
まぁ、監督はクビになるまで、思う存分、自分の意図するものを発信してほしいものである。
ちょっと起用する選手が、代わり映えしなさすぎなのではないだろうか?
イラン戦は、本田、香川なしでトライしてみてほしかったというのが
正直な感想である。
今夜はこの辺で!