蘇った!ペンタの蹴球日記

あの世から蘇ってきた蹴球老人の日記

何を目指してプレーするか?

サッカーはゴールを目指してプレーするものじゃが、直接ゴールを目指すのは難しい。キックオフして、シュートして、それがゴールになれば、こんなに簡単なことはないが、そんなことはまずあり得ない。

 

将棋をして、いきなり相手玉を詰ますのがほぼできないのと一緒だ。

 

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将棋も、終盤は玉を詰ますことを目指すが、中盤は何をやってよいかわからない。専門的には「さばく」「もりあがる」などという目標もあるが、これが分かったら、将棋の中級者である。

 

では、サッカーやフットサルの中盤(決定機の前)は何を目指してプレーすべきだろうか?

 

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サッカーの目標は、ゴールを決めることであるから、シュートを打つのがその直前の目標であるが、もうすこし厳格な言い方をすれば、「シュートコースが空いた状態でシュートを打つこと」と表現することができる。

 

 そのためには、シュートを打つ瞬間、相手ディフェンスのマークがズレていた方がよい。ぴったりマークがついていてはシュートを打ちにくいし、コースを塞がれていたのでは打っても跳ね返されるだけじゃ。

 

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このズレが大切なんじゃ。

 

先日説明したように、KMのようにスピードで振り切ってしまい、シュートまで持ち込めるのであれば、それはそれで、スピードによってズレを生み出していることになる。

 

だがKM以外のメンバーがこれをやろうとして真似をすると、相手に追いつかれてブロックされるか、ボールを奪われておしまいとなる。

 

じゃから、ほかのメンバーは、ほかの方法でズレを生み出す必要があるわけじゃ。

 

ま、その一つがワンツーからサイドを崩して、マイナスのパスを送り、ワンタッチでシュートである。

 

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だが、このようなゴール前での決定機以前というのは、何を目指してプレーすればよいのじゃろうか?それが答えられたら、中級者じゃろう。

 

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目標の一つはサイドチェンジである。

 

というのは、サイドチェンジは相手のディフェンスのマークの「ズレ」を生み出す第一歩になることが多いからである。

 

たとえば、左サイドからのわしから、右サイドのガイへサイドチェンジしたとする。相手ディフェンスは、その瞬間、一斉にわしの足元からガイの足元を見る、わしの足元をまだ見ている奴はいない。それどこころか、トレーニングを受けていない選手はたいていわしの178センチメートル、70㎏の姿さえ見失いがちになる。

 

次の瞬間、右サイドのガイが、右前方にいたケンジにパスを出し、これを受けたケンジがへんてこりんなドリブルを相手ゴールに向かって開始したとしよう。すべての相手ディフェンスは、このケンジのへんてこりんなドリブルに夢中になり、そこに意識を集中してしまう。

 

左サイドにいたわしのことは、完全に忘れてしまうわけじゃ。

その間にわしが相手ゴール前に走りこみ、そこへケンジがパスを送ったら・・・

 

これは極端な例であるが、サイドチェンジによって相手の死角をつく例である。

 

左サイドのわしからパスを受けたガイが、ちょこちょことドリブルするだけでもよい。左から右へ大きく首を振った後で、引き続きドリブルされると、つい人間は意識をそこへ集中させてしまう。

 

ここがチャンスなのである。相手は一瞬だけ目隠しをしたような状態になっているわけである。目は開いているが、視野は狭くなっているガイ以外の選手はゴール前の、フリーでパスを受けられるところに走りこむべし!

 

 もし、走りこむ味方がいなかったら。そのときは、ボールをわしに戻してやりなおそう。

 

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さて、今夜のポイントを復習しておこう。

 

「サイドチェンジによって相手の視野が狭くなったときがチャンスである!」

 

そう。そのことによって、相手ディフェンスのズレが生まれてくるわけじゃ。

 

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つまり、フットサルやサッカーのプレーの目標は、相手ディフェンスのズレを作り、そのズレの位置を少しずつ相手ゴールの近いところへと移動させること、とまとまることができるかもしれない。

 

ということで、そのズレの作り方については、またいずれ書くことにしよう。