蘇った!ペンタの蹴球日記

あの世から蘇ってきた蹴球老人の日記

雑感

東アジアカップでの赤恥には正直参りました。最後の中国戦で、解説の山口が、「最低限このレベルで」とうっかり言ってしまっていたが、そうそう、元々日本代表が調子が悪いときの試合のレベルがあの中国戦のレベルだったと思う。

 

監督のハリルホジッチは「今日の試合は良かった」と胸を張ったというが、いやいや、山口が正しい。あれが最低レベル。

 

あれことは、懐かしくも、決定力のない日本。ある程度試合を有利に進め、ゲームを支配できているようではあるが、ゴール前での集中力に欠け、ぽこりと失点する日本。そうそう。日本代表ってこんな感じのレベルで、こんな感じのもどかしさを感じさせるチームでしたよ。

 

ところが、その前の2試合は、なんだったのじゃ?見たこともないゲームじゃった。ハリルホジッチのもたらした無駄な圧力のせいで、チームレベルが30%はダウンしていた、とみる。

 

代表の監督がすることは現状の状態に不足していることを改善させるための処方箋を書くことであって、患者の病を重くしてしまうようでは困るのである。

 

しかも、前後のハリルホジッチの言葉が悪い。相変わらず、フィジカル、コンデション、タレントの話ばかりで、ほかのメッセージが出てこなくなった。

 

堅守速攻のサッカーはどこへ行ったのであろう?北朝鮮戦、韓国戦、そしてW杯予選のシンガポール戦でうまくいかなかったので、止めてしまったのであろうか?

 

正解は、アジアでの戦いには以前のポゼッションサッカー、ショートパス逆サイド展開サッカーに、縦のカウンターをどの程度付け加えるのは、その使い分けを選手たちに理解させ、徹底させることなんだと思われるが、そういう話は一切ないようだ。

 

ということで、ハリルホジッチにはこの先代表を強くする力量はないと見限った方がよい。一部の報道では、サッカー協会でも次の監督を探せという意見もあるらしく、馬鹿らしくももっともなことだと思う。

 

☆     ☆     ☆

 

さて、まったく資料もなく、これから書き進めるわけであるが、オシムの描いていた日本代表像というのが、やはり気になってしかたない。

 

オシムは数々の名言を残した。

「走れ」

「考えて走れ」

大国主義を捨てろ」

「しかし自信を持て」

 

これらの言葉の中に、日本人のアイデンティティーが見えて来るような気がしたものである。

 

この、「大国主義を捨てろ」というのを、ザックのときのW杯は忘れてしまった。ちょっとやそっと頑張っても、優勝を口にできるほど、日本はサッカー大国ではないのである。ところが選手の一部のなかに、優勝を公言し、公言できない選手をおとしめるような雰囲気まで作ってしまった。さらに恥ずかしいことに、そういう選手のなかに、相手にのまれ、メンタルで戦えなかった選手もいたことだ。つまり「自信を失ってしまった」のである。

 

一言でいうと、「大国主義に陥り(王者気取りになり)、自信を失った」のが、ブラジルW杯の日本のメンタルであった。

 

「挑戦者として、したたかに戦う」というメンタルが、日本人には必要な気がする。

 

☆     ☆     ☆

 

そのためには、テクニックへの過信を止め、ハードワーク、フィジカルの再チェックをし、そしてカウンターを採用すること、そこまでは間違っていないと思う。

 

近頃、ブレイクしたレバークーゼンの監督、ロジャー・シュミットはロングボール一辺倒、横パスを出すことを選手に許さないという、まるで先日の北朝鮮を更に徹底したような戦術のチームを作って話題となったが、確かにそういう戦術もありうる。特に、バルセロナースペインの作り上げたショートパスーポゼッションサッカーがあまりにもはやりすぎ、対策も洗練されてくると、真逆に触れた戦術を採用するチームが結果を出すのは、ものの流れとして当然でさえある。

 

しかし、おいおい。そんなトップは日本人にはいないだろう。

 

ではスピードはどうか?

 

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今回は、グランパスの永井を使ったが、うまくいったとは言い難い。これはハリルホジッチのせいではないとわしも認めざるをえないことなのじゃが、日本人はこういうスピードタイプのスピードを活かすことのできるチームがない気がする。

 

高校年代のチームには、走力のあるウィングタイプを効果的に使うチームがかなりあるが、どうもJにいるはずのスピードタイプが目立つことがほとんどない。永井もはっきり言ってJレベルなのにぱっとしない。

 

物理的なスピードと、サッカーのドリブルで相手を抜き去ることのできるスピードというのはちょいと違うのであるが、永井は物理的なスピードのタイプ。確かにこの手の選手は、相手に対策を講じられると活かすのが難しい。

 

が、ちょいと考えれば、簡単なはずである。

 

この手の選手がぐいぐい活躍するリーグ。そういうものをまずは目指すべきではないだろうか?

 

しっかりしてくれよ。グランパス