蘇った!ペンタの蹴球日記

あの世から蘇ってきた蹴球老人の日記

わがまま亭主

皆の衆、信じられるじゃろうか?

 

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先週金曜日の夜7時ころ、わしは同年齢の同業者と電話で長話をしていた。仕事の話から、サッカーの話になり、そして年寄りの癖でつい近頃の体調について話が及んだ。

 

同業者は、寝ているときに頻繁に足がつる、と言った。夜中に布団の中でいきりなり足がつり、思わず叫んでしまうほど痛いというのだ。処置をしてもらっても、一度そうなると連続してなり、5回くらい繰り返すことがあるらしい。

「横で寝ている奥さんを起こして、膝を伸ばしてもらって、足首をぐいって曲げてもらんですよ」

「・・・・5回はひどいねぇ」

「そうなんですよ。たまんないっすよ」

わしも足がつったことはあるが、人に処置してもらったのは、高校の部活で先輩にやってもらったのが最初で最後じゃ(と思う)。深夜の布団のなかでつったときもあるが、そんなときのわしは、独りでぐっと堪えながら岡本太郎のように妙なポーズをとり続け、痛みが鎮まるのを待つほかない。

 

ま、しかし、これは確かミネラル不足という化学的にはっきりとした原因があり、以前サプリメントを飲んでみて以来、すっかり収まっている次第である。その夜、同業者にも、サプリメントを服用したらどうかと勧めておいたが、彼は乗り気ではなかった。そんなんで、治るんだったら、苦労はしない、と言いたげな口ぶりじゃった。

 

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さて、2月8日日曜日のオヤックスの練習でのこと。最近オヤックスでは、「長生きしたけりゃふくらはぎを揉みなさい」みたいな感じの本が流行っているのだが、その流行りの張本人であるマサがこんなことを言い出した。

「おれさー、寿命が延びているんだよぉ」

「ふくらはぎ揉んでんの?」

「いやいや。おれ以前さー、夜中によく足をつったんだよねー。それもひどく痛くてさ、隣で寝てるUM子を起こして、治してもらってたんだよね」

UM子というのは、マサの奥さんのことである。

なんと、この家でも、夫婦は隣同士で寝ており、しかも夜中の夫の異変に、目を覚まし、これに救いの手を延べているらしい。

しかも、マサはここ2年ほどはそういうことがなくなり、その変化について彼の妻UM子はズバリこう言ったらしい。

「あんた、ストレスがなくなったからだよ」

そうなのである。マサは2年ほど前に、ストレスの少なくなるようなことをしでかしたのである。

 

確かに、マサの胃袋の中に入る90%以上の物質を管理しているであろう彼の奥さんであれば、それが食物であるとか、サプリメントのせいではなくて、その2年前にしでかしたこと(ストレスをなくすこと)であると、ずばり明言できようというものである。

 

マサは現在もストレスの少ない状態を続けており、ますます寿命が延びるのじゃろう。

 

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わしの古くからの仲間のうちでは、夫婦というものは、青春の恋のように儚いか、さもなくば地獄の責苦のように辛いものである。多くの夫婦は離婚し、離婚しなくても別居し、別居しなくても家庭内別居のような状態になっている。統計はとっていないが、その割合は非常に多いはずだ。そして恐らく多くの奥さま方は、旦那の夜中の叫び声を無視するような奥さんじゃろう。

 

「珍しいこともあるもんだよ。まったく」

 

わしは思うのじゃ。結婚して10年も経った夫婦というのは、もはや相手と同じ空気を吸うことも嫌になり、相手の苦しみが我が喜びになるどころか、そういうことすら嫌になり、うっかりぽっかり浮気などしてしまいがちで、相手には出来ることなら永遠に遠くに旅立ってほしいと願うような関係になっているに違いないのじゃ。いや、絶対そうなのじゃ!

 

と、わしは、以上のような見聞と、自分の意見を、今日の昼間、仕事を手伝ってくれている女性(43歳:人妻)に語ってきかせたのである。

 

すると、途中から彼女は腹を抱えて笑いだした。そしてこういったのである。

 

「うちも、おんなじです。夜中に、叫んでるときがあるんで、起きて、治してあげますよ」

 

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マジかよ!

 

わがまま亭主どもめ!