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蘇った!ペンタの蹴球日記

あの世から蘇ってきた蹴球老人の日記

イラク戦の前に(個人の力の時代)

最近、腰に膝に足首に、ついでに右手首も痛いペンタである。

 

☆     ☆     ☆

 

さて。どこから書き始めたらよいものか・・・

 

ここはひとつ、リーガエスパニョーラ第7節、バライドスで行われたセルタVSバルセロナ戦の感想から筆を起こすことにしよう。

 

この試合、WOWOW解説者の中でも予想が外れることで有名な野口さんの心配が珍しく当たった。

 

ブスケツのところで奪われないか」と、野口さんは指摘していたのである。

 

そう、1失点目はテア・シュテーゲンからの僅かにズレたパスにブスケツが苦しみ、そこを突かれ、失点に至った。そこからのセルタのパス、シュートも実に鮮やかだった。鮮やかだったとはいえ、当たらない解説者の心配が実現するというのは、バルセロナの病根が深く、しかも著しい所以である。

 

4点目もテアの明らかなミス。

 

バルセロナの病根は、一つはこのGKにある。

 

さて、90分の冒頭、野口さんとわしの意見が違った点がある。「バルセロナの試合の入り方が良い」と、野口さんは評価していたが、わしが思ったことは違った。

 

バルセロナ、サッカーが下手になったなぁ」とげんなりしていたのである。

 

☆     ☆     ☆

 

この日のバルセロナの攻撃陣の先発は、ネイマールスアレスラフィーニャ、その下に、アルダ、ブスケツ、アンドレ・ゴメスを並べたもの。試合の冒頭、プレッシングも効き、相手陣内に押し込んだ。

だが、しかし、なんだか、反町監督の、「人もボールも動くサッカー」なのである。かつてのポゼッションサッカーの極致をひた走っていた頃のバルセロナのパスワークを見慣れた者からすると、「人が動きすぎ、バタバタした印象である。

 

「こんなにバタバタしないと攻撃できないのかなぁ・・・・」わしは思った。

 

考えても見てほしい。かつてのバルセロナは、シャビはシャビのいるべきところに、イニエスタイニエスタのいるべきところに、ブスケツブスケツのいるべきところに、いたのではないか?テレビの画面から選手を見失うということが、ほとんどなかったのではないか?余裕があるときは、まるで鳥かごのように、相手を包囲して、自分たちはあまり動かず、相手とボールを動かしていたのではないか?

 

それでいて、相手がどんなにプレスをかけて来ても、GKからビルドアップをしていた。ぎりぎりのパスワークが実に見事じゃった。コースが塞がれていても、中空を使ったパスを、普通にセンターバックからサイドバックへ通おしていた。

 

なんせ、パスをつなぐということにかけては、ミスをほとんどしない選手が揃っていた。

 

当時の監督、ペップは言ったものである。「ポゼッションだけでは相手を崩せないのでわざとパスミスを犯し、相手に奪わせておいてそこからショートカウンターで攻める」というオプションまであったくらいである。

 

攻撃時も、サイドから簡単に放り込まず、何度も何度も左右に展開しなおし、本当に相手のディフェンスにズレが生じるまで、展開し直していた。

 

こういうサッカーには、当然足元の上手いGKが必須である。テアもそういうタイプであればこそ、ブラボを放出してまでバルセロナが残したはずであった。ビルドアップ向きであり、DFが攻めあがって高いバックラインを引いたときは、そのスペースを埋められるよう、飛び出すのが得意なタイプである。

 

ところが、現在のバルセロナの他の布陣はそのような仕様になっていない。

 

☆     ☆     ☆

 

アルダもゴメスも雰囲気はあるのだが、ボールを受け(あるいは味方がボールを受けるのを助けるようなポジショニングする)、パスをつなぐ(あるいは、味方がパスをつなぎやすいようなポジショニングをする)ということが、狭い範囲で、短い時間で、判断し、プレーできるかというと出来ない。

 

かなり大雑把な選手なのである。

 

極端に言うと、シャビよりもポグバに近い。本人の身体能力や試合を決定づけるような働きという面からは、ポグバたちの方に軍配があがるが、パスをつないで自分たちのチームに有利なようなプレーをし続けるという点では、シャビの方がはるかに上である。

 

だが、このような選手は、まわりに似たタイプがそろわないと、凄みを発揮できない。

 

そして現在、シャビのような選手が急激に減ってしまった結果、ポグバサイドの能力ばかりがクローズアップされる時代になって来てしまった気がする。MFからトップ下までの選手への評価軸が変わってしまったのではないか?

 

この潮流はユーロで急にはっきりとしてきて、各国リーグが進むにつれてはっきりとしており、この分では香川や清武のような活かし活かされるタイプはますます試合に出られなくなるのではないだろうか?彼らは守備にも弱点をかかえている。

 

個の力で変化をつけることができるというタイプでは宇佐美が再び渡欧したが、彼にもまた守備に不安がある。残るは原口で、彼は試合に出ている。

 

☆     ☆     ☆

 

さて、話をバルセロナに戻すと、この試合テアにばかり話題が集中しているようだし、守備の崩壊が叫ばれているようじゃが、わしの見立ては違う。実際はMFの力の下がり方が限界を超えたのではないかとわしは思う。

 

実際、この試合では、イニエスタが入ると、ボールの落ち着きようがまるで違った。

 

守備時には、昨年からリトリートしたときは、4-4-2のゾーンディフェンスをしているとわしは思っている(のじゃが、誰も賛同してくれない。ぶつぶつ。ジダンレアルの4-1-4-1と違うつーの)。このときは、メッシがいない方が、ネイマールスアレスともよくプレッシングをしており、良い形で守れている。

 

問題はビルドアップ時にショートカウンターを浴びてしまうことなのだ。 

 

以前なら問題なく繫げていたことが、現在は出来ないのである。

 

野口さんは、ネイマールラフィーニャへボールをぶつけることを提案していたが、これは違うと思う。セルタの監督ベリッソは、わしの以前書いた記事で言うところのビエルサ一族であり、深い位置の相手に対してはマンツーディフェンスをする。画面にはあまり映らないが、たとえネイマールラフィーニャが開いて構えたとしても、そこには執拗なマークがついたはずでる。で、マークがついたところから、前へとプレッシングするのである。

 

まあ、セルタのサッカーが素晴らしかったと言ってしまえば、その通りなのであるが・・・

 

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とまぁ、わしは思うのじゃが、さて本当のところはどうなのじゃろう。

 

さて、ここから明日のイラク戦を占ってみようと思ったのじゃが、もしまた夜に暇が出来たら書くことにしよう。