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蘇った!ペンタの蹴球日記

あの世から蘇ってきた蹴球老人の日記

スピードとスペース

わしの知人のヒゲというあだ名の変態が「最近ブサカワでかわいく見えてきた」という阪口が、岩清水と熊谷の両CB間に入りスリーバックの形になったその中央でボールを受けて、ターンする。

 

この形はペップ・バルサのビルドアップをするときの一つのパターンで、ボランチあるいはアンカーが最終ラインまで下がり、そこから組み立てるというもの。数年前から世界的に大流行していて、アルビレックス新潟ジュニアユースでも盛んにこの形をやっていたのを見かけたことがある。

 

カナダでの、なでしこに対する評価は低かった。その象徴が、ボランチを務める阪口、宇津木に対するプレッシャーの甘さとなって現れていた。2年ほど前、なでしこと対戦するチームは、ここのポジションを自由にさせないように、しつこくプレスをかけてきたものである。それがこの大会では、二人は比較的に自由にパスを受けることができていた。しかし準決勝となると話はさすがに別である。

 

阪口はイングランドのプレスを避けディフェンスラインまで下がったわけである。

 

当然のことながら、両サイドバックは高い。左はご存知内股の鮫島。右はなかなか本調子に戻れない近賀ではなく、多少ミスはあるもののスタミナ、スピード、テクニック併せ持つ有吉。若いだけに、失うものがない。

 

向こうには、宮間がサイドライン際に張っている。彼女は、男子代表のテクニック系の連中が中へ中へ寄ってしまう癖を直せないでいるのに比べ、見事にこの大会でも左サイドのMFとして攻撃に幅をつくり、そこからチャンスメイクを成功させている。サイドでプレーするにはスピードがないと1対1になったときの選択肢が少なくなり不利になってしまいがちなのであるが、彼女の戦術理解とアイディアの豊富さでそれを感じさせないのはさすがである。

 

中央には、大儀見と大野のFW。この二人は縦の関係になり、バイタルエリアに下がって受ける役割とディフェンスラインの裏を狙う役割とを、交互に果たしている。二人の状況は決して良いとは言えないが、二人もちゃんと「なんのためにそうするか?」を理解している。

 

さて右サイドのMFは川澄である。彼女は、スピードのあるタイプ。小さいが、キレのあるドリブルをする。右サイドで縦に抜くことも得意であるし、左サイドでドリブルすれば、カットインからのシュートもうまい。

 

その川澄が、バイタルエリアの少し中央寄りで微妙な動きをしている。相手のボランチも彼女をマークしておらず、DFの誰かが寄っていくべきか、どうかという中途半端なところで、ちょこちょこと疑似餌のように走っている。いかにも、ここへ阪口からグランダーのパスが通り、川澄がターンからドリブル、そんな匂いがする。

 

少しずつ相手サイドバックから離れていく。だが、相手サイドバックの目は川澄に釘付けだ。離れれば離れるほど、パスが出た瞬間、トップスピードで川澄にアプローチしなくてはならなくなる。バイタルエリアドリブラーにボールを持たせ、自由にドリブルをされてしまうのは、決定機を作らせることになる。というわけで、セオリーではパスが放たれボールが川澄の届くまでの間に、相手ディフェスは川澄のところまで走り、身体を寄せ自由ターンをさせないようにする必要がある。ちなみに、もしそれが間に合わず相手に前を向かれてしまった場合、今度は抜かれないように間合いをキープしてワンサイドカットする。

 

なんてことをわざわざ書くのは、わがオヤックスではこのセオリーが守れていないからなのである。パスを受ける選手へのアプローチが遅く、ターンされてからプレスをかけてしまう。これをやると、いいように抜かれるのである。

 

さて、それはともかく、相手の左サイドバックは、阪口がパスを放ったら「よーいドン!」で、川澄にアプローチをしなくちゃ!と重心を前にかけている。

 

ところが、川澄がインサイドに絞っていたのは理由がある。外側の高い位置に有吉がいたからである。有吉がダッシュしはじめる。阪口のパスはグランダーではなく、浮かしたパスで、ディフェンスラインの裏側への軌道を辿りはじめた。

 

この瞬間、有吉と相手サイドバックの間には7、8メートルの差がついてしまった。

 

☆        ☆        ☆

 

さて、この準決勝の先制点のシーンは、サイド突破の一つのパターンである。相手ディフェンスの重心を前にかけさせておいて、裏に走った選手へパスを出す。裏に走った選手にスピードがあれば、これは決定機につながりやすい。

 

たとえばこんな方法も考えられる。

 

      KJハゲ        ↑

       ↓       KMまっしぐら    

       ○

     腹浮き輪髭

        

一度KJハゲに当てたボールを、腹浮き輪髭に戻す。この「あてる」、「ワンタッチで戻す」というボール回しは、相手の視線を誘いやすい。のたら、のたらドリブルをしていても危険は感じないが、このワンタッチは目を離せないという危機感を相手に与える。

 

場合によっては、相手は重心を前に移動させてしまうかもしれない。この瞬間に、KMまっしぐらが走りだすわけである。

 

腹浮き輪髭は、KMまっしぐらの前のスペースへパス。

 

これで裏がとれる。

 

☆        ☆        ☆

 

スピードを活かすためには、実はスペースが必要である。スピードというのは一定の距離を人よりも速く移動する才能なわけであるが、たった2メートルしか距離がなければ、スピードのある人間とない人間の差は目立たない。

 

ところが20メートルとなると差は顕著になる。

 

ところで、わしが以前から書いていたように、サッカーやフットサルというのは、密集と空間を管理するスポーツのわけである。

 

つまり、スピードのある人間の前方にスペースのある状態。これを作りだし、そのスペースにパスを出すという方法が、一つの有力な戦法となるわけだ。

 

現代サッカーで、サイドバックの選手にスピードが求められていることの大きな理由は、ここにスペースができやすいためである。

 

☆        ☆        ☆

 

他方で、スピードのない選手はどうしたらよいか?

 

近い距離感で、ワンタッチ、ツータッチでパスを回すのである。   

 

サウンド田  KJハゲ

 

  腹浮き輪髭 よぼGペンタ  

 

たとえば左サイドではこの4人がパスをぽんぽん回す。とりカゴである。

 

そこから、右サイドのKMまっしぐらの前方にパス。

 

☆        ☆        ☆

 

まぁ、そんなにうまくいないだろうなぁ・・・・