チャップリンを思い出せ(独裁者に負けるな!)
近頃、わしは焦りを感じている。
主に中学生のころ(自分で)編み出した(と思い込んだ)秘技の幾つかを、これまで誰にも伝えていないことに気づいたからである。
おそらく、動画で撮影しYoutubeにアップしたら、100万回再生など、あっという間じゃろうこの秘技を、このまま埋もれさせてよいのじゃろうか?あ!そか。Youtubeにアップして、弟子を探せばよいのか。
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その一つは、「口中独裁者」とわしが名付けた技である。そう、チャップリンの映画に因んでいる。
知らない者はこれを見よ!
わしが開発した技は、「口中の舌をイルカの尾鰭のように動かすことによって、すこし大き目の水泡を作り、これをシャボン玉のように吹き飛ばす」という技である。
口の中の舌の上で見事シャボン玉が完成すると、まるで地球をくわえたような気分というか、世界征服に成功した悪者になったような、爽快な気分が味わえるのじゃ。しかも、それを舌の先に移動させ、口から外に突き出し、はーっと微妙な息で押してやると、ごく稀にふわっとその水泡が飛び立つことがある。このときの達成感やら、快感は、なんとも喩えようがない。
この技を伝えないでは、わしは死んでも死にきれない。もしかしたら、わしはこの技を編み出し伝えるために、この星に降り立ったのやもしれぬ。
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しかし、である。
この技の伝承しにくさは、開発者のわしでさえ、めったに成功しな点にある。全盛期の中学校時代、一時間のつまらぬ授業中ずうっとやって、うまくゆくのは2回程度。そう、25分に二度程度の成功率じゃったのじゃ。
舌の先に大き目の水泡ができるのは1分に一度程度の確率じゃが、それを潰さぬように舌の先に移動に成功するのは、3分に一度。じゃが、息を吐き始めた途端に破裂!ここで嫌になり一度集中力が途切れる。ノートに落書きをしたり、消しゴムをいじったりして、現実逃避する。が、再びチャレンジすること3分!今度は、水泡ができもしない。再びあきらめ、向うの席の女子の胸のふくらみ具合を観察したりする。ついでに横顔も見る。「ばっかじゃないの、あいつ。授業聴いているときもぶりっこしてんじゃん」などと、イライラしながら、また水泡づくり・・・・こんな風にして、ペンタ中学校時代の授業は進んでいたのじゃった。
これが全盛期のありさまなのであるからにして、その後はおしてしるべし。技の成功率はどんどん下がり、わしはこの20年間、一度も成功していないのである。
だから、技の後継者を選び、せっかく本人もその気になったとしても、技そのものを見せることがなかなかできないのじゃ!
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じゃが、そうじゃ。そのうちYoutubeにアップしてみることにしよう。スマホのビデオ容量ががわしの成功するまで持てばよいのじゃが。
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さて、ヒトはボールにタッチする瞬間というのは、どうしてもボールを見るものである。ボールを見ないと、正確なタッチが出来ないともいえる。
しかし、名人のなかには、いったいいつボールを見たんだ?と言いたくなるようなプレイをする選手もいる。
じゃが、普通の選手は、ドリブルをしていて、タッチしている瞬間はボールを見て、余裕が生まれると、ルックアップする、ボールに近づきタッチするためにまたボールを見るという、サイクルが生まれる。
わしは、そのサイクルが分かりやすい選手と馬があう。
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つまり、例えば、こういうことじゃ。
味方Aがドリブルを始めたとする。ルックアップの前というのは味方Aはわしが見えていない。この間を利用して、相手のディフェンスBと駆け引きをする。幻惑するよな動きをわざとするわけである。そして、味方Aがルックアップした瞬間に、味方に分かりやすいように、自分が走り込むスペースへ動きだすモーションを見せてやるわけだ。相手ディフェンスの前へ出ようと見せかけておいて、後ろとか、その逆とか、そういう切り替えを、味方Aのルックアップの瞬間に一致させるわけである。
こうすることによって、味方Aとわしのスペースの共有ができるわけじゃ。
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逆のタイミングもある。わしがルックアップするタイミングが分かってくれていて、モーションを見せてくれる仲間がいる。
わしは、タッチ数少なくパスを出すことが昔から好きで、高校生の頃も「わしがボールに近づいた瞬間に走れよ」と、センターフォワードにはよく話していたことを覚えている。
これをやってくれると、わしは大変嬉しいのである。
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たいていの場合、数年も一緒にやっていると、味方が周囲を見ながらボールに近寄っていくときの姿勢で、ワンタッチでパスが出るか、それとも一度ターンするか、が察知できるようになるものじゃ。
しかし、ボールに近づいてゆくと、ボールしか見えない、ボールに夢中なのという、ボールに恋しちゃうタイプも多い。
うーん、そういう場合、どうしたらよいのじゃろう??
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ところで、今日は、このまま終わる。残念ながら、チャップリンや独裁者の話には戻らなのである。
そうそう。少し書いておこう。
国のトップが悪いと、お役人一般の感覚もそれに比例して狂ってくるという話。
先日、東京の同業者の社長と電話で話をしていると、「これから都庁の役人に、うちの社員の履歴書の原本を持ってこいって言われて、いかなくちゃいけないんですよ」と驚愕な話をしていた。数日後の話では、「結局、見るだけで、複写されることもありませんでした」ということじゃった。
しかし、それにしても恐ろしいことである。
ある企業が採用した、ある個人の履歴書を、どんな理由があって、都の役人ごときが、チェックして良いというのじゃろうか?
企業の自由な活動と、個人のプライバシーを、都が「監視しているよ」と脅しているわけである。しかも、「原本で」、と指定してくる態度が不気味である。明らかに、自覚的に、脅している。
これは重大な憲法違反行為ではないじゃろうか?じゃが、お役人に対して、面とむかって、「脅迫じゃないの?」「憲法違反だろ!」と言い返せる人間は少数派じゃろう。
ちなみに、わしらの業界つーのは、非常に能天気な業界であって、ロマンとか、古代などという言葉がふさわしく、なんでスパイのように監視されないといけないのか、理由がさっぱりわからない(いくらか推理はしてみたが・・・)。
こんな風に、臆面もなく恐喝されてゆくにしたがって、わしらは確実に権力からの自由を奪われてゆく。
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おっとっと。着地に失敗して、ますますおかしなエンディングになってしまった。
今夜はこの辺で!