蘇った!ペンタの蹴球日記

あの世から蘇ってきた蹴球老人の日記

日本人の向き不向き

わしの住む里では桜がきのうあたり満開を迎えたのじゃが、皆の衆のところではいかがかな?

 

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さて、わしは風邪をひくとときどき「朗読」をする。風邪をひいたときの声というのは、音程が不安定になるのじゃが、それが却って効果的になる。せつなく聞こえたり、切実に聞こえたりする。

 

どうせなら、かっこいい文章がいい。どういう文章がおすすめかというと、明治時代から昭和初期にかけての文章が良い。この頃の日本人は良い意味でも、悪い意味でも西洋においつこうと必死であった。その決死の覚悟が小気味よい文体となって現れるわけである。

 

最近のお気に入りは、岡倉天心の『茶の本』である。お茶というのは、もちろん中国から伝わったものじゃが、それが日本に伝わり、禅と結びつき、千利休という天才が信長、秀吉という大スポンサーとであったことによって、奇跡のように花開いた芸術であり、哲学であり、生き方である。

 

「西洋人は、日本が平和な文芸に耽っていた間は野蛮国と見なしていたものである。しかるに満州の戦場に大々的殺戮を行い始めてから文明国と呼んでいる。近ごろ武士道ーーわが兵士に喜び勇んで身を捨てさせる死の術ーーについて盛んに論評されてきた。しかし茶道にはほとんど注意がひかれていない。この道はわが生の術を多く説いているものであるが。もしわれわれが文明国たるためには、血なまぐさい戦争の名誉によらなければならないとするならば、むしろいつまでも野蛮国にあまんじよう。わらわれはわが芸術および理想に対して、しかるべき尊敬が払われる時期が来るのを喜んで待とう」

 

もっとも、ごそんじのとおり、この本の原文は英語である。たはは。

 

これは岩波文庫版の翻訳であり、1929年に初版が発行されている。

 

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はて。何を書くのであったか、忘れてしまった。

 

そうそう。日本人は、なかなかサッカーで一流になれないが、向いていそうで一流になれない職業として、楽器演奏者があるように思われる。

 

ギターなどは、指先の器用な日本人に余程向いた楽器といえようが、ロックにしても、クラシックにしても、海外で一流と評価されたギタリストは一人もいない。ピアノもそうである。中国人には、マジで世界的に有名なピアニストが何人かいるが、日本人は例のあの子も含めて日本で騒がれているだけの演奏家ばかりである。

 

こういう一見、いかにも日本人に向いていそうな分野で、実は一流になれないものがある。

 

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わしは、49歳になったとき、突然ジャズに目覚め、今ではロックよりもジャズを好んで聴くのであるが、日本人演奏家によるジャズはほぼ糞である(もちろん例外はある)。彼らの演奏を聞いていると、同胞ながらゲロを吐きそうになる。

 

彼らの演奏を聞いていると、学校の音楽の授業や、吹奏楽部の器用ではあるが、音楽とは言えない演奏を思い出す。もっと言うと、花嫁修業という言葉を連想する。

 

つまり、彼らの技術レベルが学校教育やおならいごと程度に、素人どうように低いわけである。

 

ロックやほかの流行歌の世界では、下手であることはそれほど悪いことではない。ジャズの世界でもクラシック的には偏った技術の持ち主や、誤った演奏をする人間はたくさんいる。そのかわり独特な世界観であったり、オンリーワンの音色であったり、発狂する寸前のような即興能力であったり、誰も思いつかないようなことがしでかすチャレンジ精神を持っていたり、恐るべき革新性を保持しつづけたり、まぁ一言でいうなら、オリジナリティを持っているわけである。

 

日本人のジャズは、もの真似である。わしが郷ひろみの真似をするのと一緒じゃ。

 

こういうオリジナリティを求められる世界では、日本人は弱いのかもしれない。

 

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いや、そんなことはない。日本人はかなりオリジナリティに溢れている。アニメにしても、漫画にしても、こんな風に発達されてしまった国民はいないではないか。

 

日本の漫画の奥深さを見よ!

 

お茶と一緒である。

 

和歌を見よ!

 

俳句を見よ!

 

能を見よ!

 

歌舞伎を見よ!

 

相撲を見よ!

 

剣道を見よ!

 

将棋のプロがいる国なんて、どこにもないぞ!

 

錦鯉を見よ!

 

盆栽を見よ!

 

変なものだらけである。

 

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ああ!何を書くのか、忘れてしまった。

 

このボケじいさんを見よ!

 

ということで、今夜はこの辺で・・・・