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蘇った!ペンタの蹴球日記

あの世から蘇ってきた蹴球老人の日記

戦術的柔軟さ

はてさて。

 

代表監督がハリルホジッチ氏に決まり、騒動も一区切りじゃ。

 

  •     ☆     ☆

 

そのチームがどのくらい強いかは、GKを見ると分かるという。そのリーグがどのくらいのレベルかは、審判を見れば分かる。同様に、その国サッカーのレベルは、サッカー報道を見ると分かる。

 

その国民の民度は政治家を見ればわかる、つまり国民は自分のレベル以上の政治家を望むことはできない。よい政治家を欲するならば、自分たちが社会一般についてよく知らねばならぬ道理で、同じようによい代表を欲するならば、国民自体がサッカーを知るようにならないといけない。

 

そして、政治や社会について勉強すると、しばしば憂鬱になるが、サッカーについて勉強することは楽しいことじゃ、とオモウのじゃが、どうじゃろうか?

 

  •    ☆    ☆

 

さて、今夜も代表チームについて、書いておこう。

 

前回のブラジルワールドカップの際、どうもザックが戦術を選んだというよりも、選手たちが好きなようにやり散らかした、という印象はぬぐえない。その意味でなら「俺たちのサッカー」を志向した選手は、大いに勘違いしていた、とオモウ。

 

監督に戦術を決定する権力がないとしたら、監督を変えることに意味はない。選ばれる選手が同じで、その選手が相変わらず自分たちの好きなスタイルで戦うとしたら、はっきりいってサッカーは変わりようがない。しかも、相変わらず同じ弱点をかかえ、同じところからやられるのである。

 

同じ選手を招集し続けねばならない理由が、スポンサーの顔色をうかがってということなら、もっと悪質である。

 

もっとも、サッカー選手の人気の凋落ぶりも激しいものがあって、アジアカップの敗退後も引き続きCMで見かけるのは本田くらいになったのではないだろうか?

ま、勝てないということは、これくらい厳しいものだ、ということを選手も充分分かったことであろう。

 

  •     ☆     ☆

 

それはともかく、日本の選手というのは、司令塔というポジションに人気のある国である。あるいは、トップ下でもいい。なんとなく、攻撃の中心であり、FWを操り、自分もゴールを決め、自由にポジションを移動し、しかも守備の負担は軽い、そんなイメージである。

 

分かりやすいイメージでは、アルゼンチン代表のメッシである。

 

わしらの国では、育成年代の中でも、チームで一番うまい奴がこのポジションをやる。下手をすると、代表選手のほとんどがジュニア時代は地元のチームではこのポジションをやっていたりする。

 

だが、たとえば、4-4-2というシステムの場合、このトップ下というポジションはなくなる。

 

監督が「これからは4-4-2」でやる、と決断しても、日本のチームではなんとなく、4-2-3-1っぽくなってゆく。アギーレのときの4-3-3も、いつのまにか4-2-3-1になっていたりした。

 

これでは、チームは変わらない。ザックの3-4-3は、最後まで機能しなかった。これは、選手の側に固定観念ができてしまっていて、新しい戦術になじむ能力がなかったからである。

 

  •     ☆     ☆

 

現代のサッカーでは、試合の途中でがらりとシステムを変え、ペースを変え、戦術をかえることがある。変えずに、愚直にやり続けるというやり方もある。どちらがいいとは一口には言えない。

 

もし、メッシのようなスーパーなタレントがいて、その国の伝統的なやり方と合致し、選手の共通理解がとれやすいなら、戦術も選手も固定して戦うのも一つのやり方である。

 

だが、果たして俊輔や香川が世界のトップクラスで通用しただろうか?柴崎のブラジル戦での、パスカットされまくりの姿を見たであろう。

 

日本人は、ああいううまい系を好むが、もしそういう選手を中心にやるなら、条件がある。つまり、アフリカ人やドイツ人が目の色を変えて、鬼に形相で、120%の力でプレッシングをかけてきても、それをあしうくらいの技術が、おのれにはあるのか?といことだ。なぜなら、それが世界でたたかうための標準だからだ。ミャンマーシンガポールとやって圧勝するためにわしらは代表を応援しているわけじゃないのじゃ。

 

ユーロ2008のクロアチアは、実にこのうまい系をそろえたチームで、現在レアルマドリーモドリッチもいて、実際にドイツ人のプレッシングをあしらっていた。ほんとにうまかったのじゃ。彼らは自分ではあまり動かず、姿勢もつったったままであり、足先でちょんとボールをつついては、ドイツ人を走らせまくっていた。犬あつかいじゃ。

 

あれから比べると、わしらの国の代表選手のパスワークは稚拙で、なんでもないところのミスが目立つ。

 

  •     ☆     ☆

 

結論を書こう。日本人は、世界標準から言えば、まだまだうまい系ではない、ということじゃ。日本サッカー史上、まだうまい選手は一人もいないという勘定になる。ま、小野伸二はうまかったと思うが。

 

  •     ☆      ☆

 

となると、わしらは自分たちのイメージを変えたほうがいいと思う。

 

自分たちのやりたいようにやって勝てるレベルにないのである。アジアでも通用しないではないか。

 

わしは、いろいろなシステム、モード、ペースを切り替えることができる戦術的な柔軟さが現在の日本人には求められていると思う。

 

もちろん、それを決定するのは、監督の仕事じゃ。

 

そのための高い給料を払っているのじゃから。選手の仕事は、それを信じきって必死でたたかうことじゃとわしは思うがいかがじゃろうか?